フクシマ原発棄民 歴史の証人──終わりなき原発事故
樋口健二=編著
定価:2200円(税込)
判型:四六判並製368頁
発行日:2021年8月

 大量の放射能が降り注いだ福島原発の大事故から10年、事故の被害は終わったのか。
 放射能を浴びながら避難した福島の人びとは、福島を離れ、あるいは福島にとどまりながら、子どもを守り、暮らしを立て直しながら、この10年を精一杯生きてきました。
 本書は、原発問題を追い続けてきた写真家・樋口健二が、被曝した福島県民の17歳から77歳の15人から聴き取った証言集で、原発の爆発による放射能の拡散からどのようにして避難したのか、どのようにして避難地にたどりついたのか、そして、どのように新しい暮らしをつくり、今日まで生きてきたのかを克明に記録した、歴史の記録です。
 原発爆発による放射能被曝を「一次災害」とすれば、住宅提供を打ち切られ、少額の補償金で支援を打ち切られた現状は「二次災害」ともいうべき事態でしょう。避難を選ばなかった人から避難という選択を責められたり、除染の提案を国や県が安全と言っているからと却下されたり、小・中学校で生徒が除染をしないよう意見を述べたり、福島から来たという理由から転校先でイジメにあったり、正当な賠償を求めて国と東京電力相手に裁判を起こしたり、などなど、「放射能汚染下の今」を生きる道筋を描いています。
ISBN978-4-909269-14-0 C0030 ¥2000E